「群馬の魚を育てる会」は昭和54年に発足してから20年以上も活動を続けてきました



 釣りに関係した団体の多くが、発足時の熱意を持続することが出来ず、いつの間にか活動を停止したり、考え方のちょっとした異なりから 分散したりしています。
 でも、「群馬の魚を育てる会」が、マンネリ化の傾向はあるもの、活動を停止することも、現在100人程の会員が拠出した資金で、

       
ヤマメ発眼卵の一般及び会員配布
       社会的に混乱を生じない範囲における「冷水性魚類」の稚魚放流
       河川湖沼の環境回復のための清掃活動
       会員親睦のための野外ミ−ティング

 などを実施してくることが出来たのは、大勢の会員が、無理の無い範囲で、気楽にそれぞれの活動を分担してきたからです。

 そして出来るだけ多くの会員に活動を分担していただくことが、これからも群馬の魚を育てる会を存続できる条件だと思います。


地域での放流


 「釣りが好き」で「魚が好き」な人はどこにでもいますよね。

 そんな人達の中には、自分が大事にしている河川や湖沼で、自分や友人達と魚を殖やしてみようと考える人もいます。
 今から22年ほど前になりますが、昭和50年代の半ばに、群馬県では「桃の木川の魚を大きくする会」「碓氷魚の会」という2つの団体が別々に魚を殖やそうと地域で放流を始めていました。(もちろん、もっと活動していた釣り人や団体もいるはずですが、残念ながら横の連絡がありません)


会の発足


 群馬の異なる地域において異なる目的で放流をしていた団体ですが、その後メンバ−が知り合った人に共通する佐藤喜治さんがいたことにより、発眼卵を共同で購入する時期を経て、活動と資金の規模的な拡大を目的に共に活動をすることになったのが当会発足の経緯です。
「育てる会」の名称が付いた団体としては「奥只見の魚を育てる会」が有名で保護水面の設定などに大きな成果を残していますが、発足したばかりの当会も同様な趣旨で活動をするので覚えてもらいやすい名称ということで「群馬の魚を育てる会」を採用することとしました。


活動の内容


 魚類が快適に生息し、良い釣りが出来るためには、河川湖沼環境の回復が必要であることは水辺へ行けば誰もが分かりますが、私達に何が出来るでしょうか?。直接的に土木工事での水辺環境回復を目指すのは法律的にも経費的にも実現性がありませんし、水質の改善も水域全体に関係する個人や会社で取り組まなければできないことです。
 当会のように、魚を殖やしたり、魚が住む環境を改善したいという熱意はあるものの、資金が乏しいため放流用の魚の購入も限界があり、効果が及ぶ範囲も微々たる団体としては次のようなことを念頭に置き活動しています。

ヤマメやニジマス等の放流
 放流水域に漁業権を有し管理している漁協などに釣り人が望んでいることを伝える手段として考えています。また、部分的ですが、魚影も間違いなく増えますし・・・。
 例えば「魚体が美しいものを釣りたいので、放流は成魚でなく稚魚でして欲しい。」、「河川中流域でもヤマメが生息できるので放流して欲しい。」「ここの水域にはもっとヤマメやニジマスが生息可能」などです。
ヤマメ発眼卵の配布
 生きているヤマメは美しいし、泳ぐ姿態は命の躍動を感じると言ったら大げさでしょうか。一度、水槽で泳ぐヤマメの姿を目にするとほとんどの人がこれに近い感情を抱くようです。そして、自分で育てたヤマメを身近な河川に放流すれば、その河川に関心を持ち続けるはずです。釣り人であれば、小さな渓流魚を殺したり、乱獲をして、家族では食べきれないほど多くのヤマメやイワナを持ち帰ったりはしなくなるはずです。
 ヤマメを自宅の水槽でふ化させ、一日一日と育つ過程を観察する機会を出来るだけ大勢の人に提供し、魚と河川へ関心を持ってもらうために、飼育説明書や飼育用の餌と共にヤマメ発眼卵を希望者へ配布しています。
 毎年、11月3日に前橋市役所前で配布しているのですが、4百人前後の人が受け取り育ててくれますが、その半分位は釣りをしない人達ですし、毎年来てくれる方々もいらっしゃいます。


会の現状

会員数
 名簿掲載者は約100名いるのですが、会費を納入して下さる会員はここ数年間70名くらいで推移しています。
活動資金
 会費が1人あたり3千円で納入会員70名余りとして総額約20万円が活動を支える基本資金となっています。
 その他として、平成11年度から群馬県が地域で清掃等を実施しているボランテイア団体に出している助成金も大きな活動原資となっていますし、ヤマメ発眼卵配布時の寄付などもあります。
活動内容
 ヤマメ発眼卵の配布、ヤマメとニジマスの稚魚放流、水辺の清掃活動を中心として、総会で検討し決定した活動を実施しています。

桃の木川の魚を大きくする会
 前橋市内を流れる「桃の木川」を知っていますか。両側がコンクリ−ト護岸されていますが、ウグイや漁協が春先に放流したニジマスなどけっこう残り、釣りが楽しめる流れですが、年に一度河川整備か何かの関係で水がなくなって、魚もいなくなってしまうのだそうです。
 この桃の木川の近くにすむ藤井重信さんが知人と資金を出し、購入したニジマス、ギンザケ、コイの成魚を昭和54年頃から数年間放流していたのが「桃の木川の魚を大きくする会」です。
碓氷魚の会
 群馬県碓氷郡松井田町在住の柳沢政之さんが昭和53年に学校時代の先輩宅を訪れたところ、室内においてある60p水槽でヤマメが卵からふ化したばかりの状況を見ることとなりました。
 ヤマメの人工採卵・受精が軌道に乗り始めた頃で、神奈川県の八丁ヤマメセンタ−と言うところが釣り雑誌「タックルボックス」の読者希望者へヤマメ発眼卵1万粒をプレゼントしたのだそうです。
 この発眼卵の存在を知った柳沢さんが中学時代の友人と、地元松井田を流れる碓氷川上流で放流を始めたのが「碓氷魚の会」です。
 活動は購入費用が成魚と比較して手軽な発眼卵の埋設と稚魚による放流を中心として行い、魚種はヤマメとニジマスで行っていました。
 何カ所か放流をしましたが、その中心とした「碓氷湖」では素晴らしい成果が出ました。
 碓氷湖には上流の沢から降下してきたヤマメが多少いたのですが、釣りの対象になるほどではなく釣り人の姿も見ることはありませんでした。しかし、碓氷魚の会が流れ込む沢でヤマメとニジマスの発眼卵埋設放流を継続したところ、放流開始2年後には大型のヤマメが釣れるとの噂が流れ、休日には岸から狙う数人の釣り人が出てきただけではなく、手漕ぎボ−トまで持ち込み、そのボ−トを湖岸に常駐し、碓氷湖の大型ヤマメを常時狙う人まで現れました。釣り方はイクラ餌を使用した誘導浮子によるもので、撒き餌もして、成果は良いときで25p〜40p位の「パ−マ−クのはっきりしたヤマメ」と「銀色が強いヤマメ(たぶんニジマス)」が30尾近くも釣れたのとことでした。
 残念なことに、碓氷湖に育っていたヤマメとニジマスも昭和59年頃の堰堤工事のためか湖水を全て排出したことにより、生息していた魚類も全て流出してしまったとのことです。




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