河川や湖沼などの内水面にはたくさんの魚介類が生息しています。この水産資源のおかげで漁業を行ったり、釣り人が遊漁を楽しむことができるのです。
 しかし、河川湖沼の資源は海ほど豊かではなく採捕も容易なため、各人が何のルールもなく好き勝手に魚介類を採捕すれば、資源はすぐに枯渇してしまいます。

 そこで、水産資源を将来にわたって維持するために魚類の増殖をしたり、漁業や遊漁をする場合に守らなければならないルールやそれを実践する組織について法律などで定めています。
 これらのル−ルや定義を知ったうえで、これからの「良い釣り場」がどうすれば出来ていくのか、共に考え、行動していきたいですね。
漁業と遊漁の違い
 水産資源保護法
  漁業調整規則
   遊漁規則
    遊漁料金
     釣りのル−ル違反
      遊漁者の違反行為に対する対応について
       遊漁者の違反行為と罰則規定

 


漁業と遊漁の違い

 霞ヶ浦や琵琶湖など広大な面積を有し市場価値の高い魚類が生息する水域を除けば、魚を捕り、出荷・販売して生活を維持する漁業を営んでいる漁業者がごく一部の地域にしか見られませんが、漁業法における漁業、漁業者、遊漁の定義は次のようになります。

漁 業
 水産動植物の採捕または養殖の事業をいいます。
 内水面においては漁業協同組合の組合員が行う採捕がこの「漁業」と解釈でます。

漁業者
 漁業を行う者または養殖を業としている者を言いますが、漁業の定義から逆に解釈すると、漁協の組合員は漁業者と見なければなりません。

遊 漁
 レクエーションのために行う釣りなどの営利を目的としない「漁協組合員以外の者がする水産動植物の採捕」をいいます。



水産資源保護法

 水産資源保護法(昭和26年12月17日 法律第313号)は水産資源の保護培養を図り、その効果を将来にわたって維持することにより漁業の発展に寄与することを目的とする法律で、採捕の制限、保護水面、さく河魚類(サケ等川と海を行き来する魚類)の保護などについて漁協に関する規定が定められています。



漁業調整規則

 漁業法、水産資源保護法に基づいて都道府県ごとに河川等の水産資源の保護培養、漁業取締、その他漁業調整を図り、あわせて漁業秩序の確立を期することを目的として定めた規則です。
 漁業権の許可、水産資源の保護培養、漁業取締等に関する項目が具体的に規定され、漁業の方法、採捕禁止区域、体長制限及び罰則など、全ての公共水面において適用され、漁業協同組合や遊漁者に直接かかわりあいのある規則です。

   群馬県漁業調整規則



遊魚規則

漁協組合員行う魚の採捕(漁業)については漁業権行使規則で定められていますが、内水面では漁協組合員以外の者がする水産動植物の採捕(遊漁)については遊漁規則により制限が設けられています。

 内容としては採捕禁止期間、区域、遊漁料金等の遊漁に際して守るべき事項などが規定されて、漁業法第129条に基づき、各漁協が総会で議決し、知事の認可を得て定めた漁協ごとの規則です。



遊魚料金

遊漁料金の目的
 河川湖沼での魚釣りになぜ料金を取るかというと、漁協が実施している魚類放流増殖事業や漁場管理事業に必要な経費を組合員と同様に負担してもらうためです。
 当然のことながら、遊漁料金は釣った魚の代償ではありません。

法的根拠
 漁業法第129条で「漁協は遊漁規則を定め、遊漁料金の額について規定すること」そしてこの規則は組合の総会で議決し、内水面漁場管理委員会の審査を経て知事の認可を受けなければならない」として定められています。

漁業法第129条
 第1項 内水面における第5種共同漁業の免許を受けた者は、当該漁場の区域においてその組合員以外の者のする水産動植物の採捕(以下「遊漁」という。)について制限をしようとするときは、遊漁規則を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。
 第2項 前項の遊漁規則を(以下単に「遊漁規則」という。)には、左に掲げる事項を規定するものとする。
  1 遊漁についての制限の範囲
  2 遊漁料の額及びその納付の方法
  3 遊漁承認証に関する事項
  4 遊漁に際し守るべき事項
  5 その他省令で定める事項
 第3項 遊漁規則を変更しようとするときは、都道府県知事の認可を受けなければならない。
 第4項 第1項又は第3項の認可の申請があったときは、都道府県知事は、内水面漁場管理委員会の意見をきかなければならない。
 第5項 都道府県知事は、遊漁規則の内容が左の各号に該当するときは、認可しなければならない。



釣りのル−ル違反

 釣り人の違法行為に対する対応としては「漁業調整規則」に違反するものと「各漁協の遊漁規則」に違反するものに大別できます。

漁業調整規則違反
 漁業調整規則は全ての公共水面での最低限のル−ルを定めたものであり、違反行為を行うだけで罰則の対象となります
 公共的利益の保護を目的とした「漁業調整規則」への違反行為へは、その行為の内容により、6ヶ月以下の懲役若しくは10万円以下の罰金、又はこれの併科が定められています。

「遊漁規則」違反
 公共水面であれば全ての水域に「漁業調整規則」が適用されますが、さらに漁協ごとの「遊漁規則」が上乗せで適用となります。
 「各漁協の遊漁規則」のみに違反した場合は、漁協の告訴により、漁協が有する漁業権の侵害として、漁業法143条に規定される刑罰である20万円以下の罰金の対象となります。。
 また漁協は違反者に対して民法709条の損害賠償の規定により賠償を請求することができます。

 群馬県漁業調整規則
 漁業法第143条
   第1項 漁業権又は漁業協同組合の組合員の漁業を営む権利を侵害したものは、20万円以下の罰金に処する。
   第2項 前項の罪は告訴がなければ公訴を提起することができない。



遊漁者の違反行為と罰則規定

主な群馬県漁業調整規則違反 

 @主な違反例
  ○25条 採捕禁止期間違反(抜粋)
   ・ヤマメ、イワナ、サクラマス 9月21日〜翌年2月 末 日
   ・ア ユ           1月 1日〜  5月31日
   ・サ ケ           1月 1日〜 12月31日
  ○26条 体長制限違反(抜粋)
   ・全長18p以下 サケ
   ・全長15p以下 ヤマメ、イワナ、サクラマス、
   ・全長 8p以下 ウグイ
  ○27条 禁止漁具漁法違反(抜粋)
   ・バッテリ−を使用した漁獲
   ・やす、針等を放射してなす漁獲
  ○33条 移植の禁止
   ・移植禁止魚種(オオクチバス、コクチバス、ブル−ギル等)の違法放流
 A罰 則
  ○根拠法令 群県漁漁調整規則第37条
  ○前提条件 上記事項等に違反している事実
  ○罰  則
   ・6月以下の懲役
   ・10万円以下の罰金
   ・6月以下の懲役及び10万円以下の罰金の併科

(漁協)遊漁規則違反 

 @主な違反例
  ○未承認の遊魚(無鑑札)
  ○遊漁期間制限違反
   ・アユ 6月1日〜組合指定の解禁日での採捕
  ○漁具制限違反
   ・漁具ごとの制限等違反(竿釣1人1本、かすみ網長さ等の違反)
  ○漁法制限違反
   ・コロガシ 組合規定の漁場外及び期間外での遊漁
   ・投  網 〃
  ○遊漁禁止区域違反
 A罰 則
  ○根拠法令 漁業法第143条第1項
  ○前提条件 
   ・遊漁規則違反の事実
   ・漁業権又は漁業協同組合員の漁業を営む権利が侵害されたとして、漁業協同組合   が違反者を告訴すること。
  ○罰  則 20万円以下の罰金

「群馬の魚を育てる会」
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